「3歳なら10まで数えられないといけない?」
「数字を順番に言えるけれど、個数は分かっていない気がする」
「数字を楽しく覚える方法を知りたい」
3歳になると、子どもがどのくらい数字を理解していればよいのか気になることがあります。
結論からいうと、3歳で1〜10を完璧に言ったり、すべての数字と個数を理解したりする必要はありません。
数字への興味や理解の進み方には個人差があります。
最初から1〜10を暗記させるより、おもちゃや食べ物など、目の前にある物を一つずつ数えることから始めてみましょう。
この記事では、3歳の子どもが遊びや生活の中で数字に親しむ方法を8つ紹介します。
- 「数字を言える」と「個数が分かる」は違う
- 3歳で10まで数えられなくても大丈夫?
- 3歳向け数字遊び8選の比較表
- 1.おもちゃを一つずつ数える
- 2.一人に一つずつ配る
- 3.「○個持ってきて」ゲーム
- 4.おやつや食事で数える
- 5.数字カードとおもちゃを組み合わせる
- 6.家の中で数字を探す
- 7.数えながら片付ける
- 8.動画で数えたあと実物を数える
- 3歳が数えるときによくある姿と対応
- 数字を飛ばしてしまう
- 同じ物を何度も数える
- 数えたあとに個数を答えられない
- いつも「いっぱい」と答える
- 数字に興味を示さないときは?
- 3歳の数字遊びで避けたいこと
- 数字以外の様子も気になる場合は?
- よくある質問
- まとめ|3歳の数字は実物を数えることから始めよう
「数字を言える」と「個数が分かる」は違う
数字に親しむ姿には、いくつかの違いがあります。
数字を順番に言う
「1、2、3、4、5」
と、数字の言葉を順番に言うことです。
歌や大人のまねで順番を覚えていても、それぞれの数字が表す個数まで理解しているとは限りません。
数字の形を見分ける
書かれた「1」や「3」を見て、数字の名前を答えることです。
「3」と言えても、三つの物と結びついていない場合があります。
物の個数を数える
目の前にある物を一つずつ指さし、
「1個、2個、3個」
と数えることです。
全部で何個か分かる
三つの物を数えたあとに、
「全部で3個」
と個数を確認することです。
このように、数字を順番に言えること、数字の形が読めること、物の個数が分かることは、まったく同じではありません。
どれか一つができていないからといって、何度も暗記させる必要はありません。遊びや生活の中で、数字の言葉、数字の形、実際の個数を少しずつ結びつけていきましょう。
3歳で10まで数えられなくても大丈夫?
3歳だからといって、必ず1〜10まで数えられなければならないわけではありません。
文部科学省の「幼稚園教育要領解説」では、数量についての知識だけを単に教えるのではなく、生活の中で子どもが必要性を感じて数えたり、量を比べたりする経験が大切だと説明されています。
例えば、
- お皿を家族の人数分用意する
- おもちゃを箱へ三つ入れる
- おやつを一人に一つずつ配る
- 積み木の数を比べる
なども、数字や数量に触れる経験になります。
最初から10までを目標にせず、まずは1〜3程度の少ない個数を、実物と一緒に数えてみましょう。慣れてきたら、本人の興味に合わせて数を増やします。
「1〜3から始める」というのは家庭で取り組みやすくするための目安であり、3歳全員が同じ順番で理解するという意味ではありません。
3歳向け数字遊び8選の比較表
準備の負担は、必要な道具の数をもとにした目安です。取り組みやすさは、子どもの興味や数字への慣れによって変わります。
| 数字遊び | 主に使う物 | 親しめる内容 | 準備 |
|---|---|---|---|
| おもちゃを数える | 積み木・ミニカー | 数字の順番・個数 | 少ない |
| 一人に一つずつ配る | お皿・おもちゃ | 一つずつの対応 | 少ない |
| 「○個持ってきて」 | 身近なおもちゃ | 指定された個数 | 少ない |
| おやつや食事で数える | お皿・食べ物 | 個数・人数 | 少ない |
| 数字カードと物を合わせる | 紙・おもちゃ | 数字の形・個数 | 普通 |
| 家の中で数字を探す | 時計・カレンダー | 数字の形 | 少ない |
| 数えながら片付ける | おもちゃ・収納箱 | 数字の順番・個数 | 少ない |
| 動画から実物へつなげる | 動画・おもちゃ | 数字の音・個数 | 少ない |
最初に試すなら、おもちゃを数える遊びや、一人に一つずつ配る遊びがおすすめです。
1.おもちゃを一つずつ数える
普段使っているおもちゃを並べて数えます。
遊び方
- 積み木やミニカーを少ない個数だけ並べる
- 一つずつ指さす
- 「1、2、3」と一緒に数える
- 最後に「全部で3個だね」と確認する
数えるときは、一つの物に対して数字を一つずつ言います。
子どもが同じ物を何度も数えたり、指と声が合わなかったりしても、すぐに直す必要はありません。
大人がゆっくり指さしながら、
「これは1個。次で2個。全部で2個だね」
と見本を見せましょう。
2.一人に一つずつ配る
家族やぬいぐるみに、一つずつ物を配ります。
用意する物
- お皿
- スプーン
- 積み木
- おもちゃの食べ物
- ぬいぐるみ
例えば、ぬいぐるみを二つ並べ、それぞれにおもちゃの食べ物を一つずつ配ります。
「くまさんに一つ」
「うさぎさんに一つ」
と声をかけましょう。
配り終わったら、
「二人に一つずつ渡せたね」
と確認します。
数字を答えさせなくても、「一人に一つ」という関係に触れられる遊びです。
3.「○個持ってきて」ゲーム
指定した数のおもちゃを持ってきてもらいます。
遊び方
大人が、
「積み木を2個持ってきてください」
とお願いします。
子どもが持ってきたら、一緒に、
「1個、2個。全部で2個だね」
と確認しましょう。
最初は1個や2個から始めます。
慣れてきたら、
「赤い積み木を3個」
「車を2台」
というように、色や種類を加えても楽しめます。
できないときの工夫
指定された数と違っていても、
「違うよ」
と強く訂正する必要はありません。
「一緒に数えてみよう」
と並べ、足りなければ一つ追加し、多ければ一つ戻してみましょう。
4.おやつや食事で数える
食事の準備も、数字や個数に触れる機会になります。
例えば、
- お皿を2枚並べる
- スプーンを一人に1本ずつ置く
- おやつを3個お皿へ置く
- ミニトマトを一つずつ数える
などがあります。
「今日は3個食べよう」
と一緒にお皿へ並べ、
「1個、2個、3個。全部で3個だね」
と確認します。
ただし、数字の勉強のために食べる量を増やしたり、食事を終える条件として数の問題を出したりする必要はありません。
普段食べる物や、食卓に必要な物を数える程度にしましょう。
食べ物の大きさや硬さは、子どもが安全に食べられる状態に調整してください。
5.数字カードとおもちゃを組み合わせる
数字の形と実際の個数を一緒に見る遊びです。
用意する物
- 紙
- ペン
- 積み木などのおもちゃ
紙に大きく、
「1」
「2」
「3」
と書き、数字カードを作ります。
「1」のカードの横にはおもちゃを1個、「2」の横には2個というように置いてみましょう。
声かけの例
「このカードは『2』だね」
「積み木を2個置いてみよう」
「1個、2個。カードと同じになったね」
最初から1〜10までのカードを用意する必要はありません。
少ない種類から始め、子どもが興味を示したら増やしましょう。
カードは口に入らない大きさで作り、遊んだあとは片付けてください。
6.家の中で数字を探す
家の中にある数字を探します。
数字が見つかりやすい場所には、
- 時計
- カレンダー
- リモコン
- 絵本
- おもちゃの箱
- 食品のパッケージ
- 家電の表示
などがあります。
知っている数字があれば、
「『3』はどこかな?」
と探してみましょう。
数字の名前がまだ分からない場合は、大人が、
「ここに『3』があるね」
と指さすだけでも構いません。
数字を全部読ませるのではなく、宝探しのように楽しみましょう。
7.数えながら片付ける
おもちゃを収納箱へ入れながら数えます。
遊び方
大人が、
「積み木を3個入れよう」
と声をかけます。
子どもと一緒に、
「1、2、3」
と数えながら箱へ入れましょう。
慣れてきたら、
「次は車を2台入れよう」
「赤い積み木を3個探そう」
と変えられます。
ただし、片付けるおもちゃをすべて数えると、片付けに時間がかかる場合があります。
最初の数個だけ数え、残りは普通に片付けても構いません。
8.動画で数えたあと実物を数える
動画や歌を使って、数字の音に親しむ方法もあります。
ただし、動画を見るだけで個数を理解できるとは限りません。
動画のあとに、家にある物を一緒に数えてみましょう。
例えば、動画で三つの物を数えたら、
「今度は積み木を3個探してみよう」
と実物につなげます。
「こどもとまなぶ」では、ポポくんと一緒に数える子ども向け動画も公開しています。
動画は数字遊びを始めるきっかけとして使い、視聴時間や家庭のルールに合わせて取り入れてください。
3歳が数えるときによくある姿と対応
数字を飛ばしてしまう
「1、2、4、5」のように、途中の数字を飛ばすことがあります。
その場合は間違いを何度も指摘せず、大人が一緒にゆっくり数えます。
歌のように順番を言うだけでなく、目の前の物を一つずつ指さしてみましょう。
同じ物を何度も数える
指を動かす速さと、数字を言う速さが合わないことがあります。
数え終わった物を別の場所へ移動させると、どこまで数えたか分かりやすくなります。
数えたあとに個数を答えられない
三つの積み木を「1、2、3」と数えたあとに、「何個ある?」と聞くと、また「1、2、3」と数え直すことがあります。
その場合は、
「最後が3だったね。だから全部で3個だね」
と大人が答えを伝えましょう。
いつも「いっぱい」と答える
少ない・多いという感覚には触れていても、正確な個数はまだ分からない場合があります。
「こっちは2個、こっちは4個。どちらが多そうかな?」
と、見た目が分かりやすい量から比べてみましょう。
多い・少ないの遊び方は【3〜6歳】おうちでできる知育遊び25選|色・形・数・比較を楽しく学ぼう
でも紹介しています。
数字に興味を示さないときは?
数字カードを見せても、興味を示さない子もいます。
その場合は、無理に数字の練習を続ける必要はありません。
好きな遊びに数字を加える
車が好きなら、
「車が2台あるね」
積み木が好きなら、
「3個積めたね」
お店屋さんごっこが好きなら、
「りんごを2個ください」
というように、普段の遊びへ数字を少しだけ加えます。
大人が数えて見せる
子どもに答えさせず、大人が物を数えて見せるだけでも構いません。
「何個?」と毎回質問するより、
「一緒に数えてみよう」
「全部で3個だったね」
と声をかけてみましょう。
いったん数字以外の遊びにする
文字、色、形、お絵描き、運動など、興味の対象は子どもによって違います。
数字を嫌がったらいったんやめ、本人が楽しめる遊びを選びましょう。買い物やカレンダーなど、生活の中で数字に気づいたときに改めて伝えられます。
3歳の数字遊びで避けたいこと
いきなり10まで覚えさせる
10まで数えることだけを目標にすると、数字の言葉を暗記しても、実際の個数と結びつかない場合があります。
最初は少ない個数を、実物と一緒に数えてみましょう。
何度もテストする
「これは何?」
「何個ある?」
と続けて質問すると、数字遊びがテストのようになることがあります。
答えられない場合は、大人が答えを伝えて終えても構いません。
ほかの子と比べる
数字への興味や理解には個人差があります。
「同じ年の子は10まで言える」と比べるのではなく、以前より指を動かして数えるようになった、一つずつ配れるようになったなど、その子自身の変化を見てみましょう。
間違いを強く訂正する
数え間違えたときは、
「違う」
と強く言うのではなく、
「もう一度、一緒に数えてみよう」
と実物を動かしながら確認します。
数字以外の様子も気になる場合は?
数字を言えない、読めないという一点だけで、発達について判断することはできません。
ただし、数字以外にも、
- 日常の言葉のやり取りが気になる
- 簡単な言葉によるお願いが伝わりにくい
- 名前を呼んでも反応しにくい
- 園から発達やコミュニケーションについて指摘された
- 保護者の心配が長く続いている
といったことがある場合は、数字の練習を増やす前に、園の先生、自治体の子育て相談窓口、かかりつけの小児科などへ相談する方法があります。
相談したことだけで、問題があると決まるわけではありません。家庭で気になっている様子を伝え、一緒に考えてもらいましょう。
よくある質問
3歳はどこまで数えられればよいですか?
3歳全員に共通する、数えるべき範囲を決めることはできません。
10まで言えるかどうかだけでなく、少ない数の物を一つずつ数える、一人に一つずつ配るなどの姿も見てみましょう。
1〜10を順番に言えれば、数を理解していますか?
数字を順番に言えても、実際の個数まで理解しているとは限りません。
おもちゃを一つずつ指さして数え、最後に「全部で何個」と確認する遊びを取り入れてみましょう。
数字は書かせたほうがよいですか?
3歳で数字を正しく書くことを急ぐ必要はありません。
子どもが書きたがった場合は、大きく書いた数字を指でなぞったり、クレヨンでまねしたりするところから始められます。
数字カードや教材は必要ですか?
必ずしも必要ではありません。
おもちゃ、食器、食べ物、カレンダーなど、家にある物から始められます。教材を選ぶ場合は、対象年齢や部品の大きさを確認してください。
数字よりひらがなに興味があります
本人が興味を持っているひらがなから始めても問題ありません。
ひらがなに親しむ方法は、3歳のひらがなの覚え方で紹介しています。
まとめ|3歳の数字は実物を数えることから始めよう
今回紹介した数字遊びは、次の8つです。
- おもちゃを一つずつ数える
- 一人に一つずつ配る
- 指定された個数を持ってくる
- おやつや食事で数える
- 数字カードとおもちゃを組み合わせる
- 家の中で数字を探す
- 数えながら片付ける
- 動画から実物の遊びへつなげる
3歳で1〜10まで数えられなくても、すぐに焦る必要はありません。
最初から数字の暗記を目標にせず、目の前にある少ない数の物を一つずつ数えてみましょう。
大切なのは、数字を言えたかだけではなく、
「一つずつ指させた」
「家族に一つずつ配れた」
「2個持ってこられた」
「数字を見つけて教えてくれた」
といった姿にも目を向けることです。
本人が数字に興味を示したら少しずつ広げ、嫌がったら別の遊びに切り替えながら、生活の中で数字に親しんでみてください。

