「片付けてと言っても、遊び続けている」
「何度注意しても、おもちゃを出しっぱなしにする」
「結局、毎日親が片付けている」
3歳の子どもがおもちゃを片付けてくれず、困っていませんか?
散らかった部屋を見ながら何度も声をかけていると、大人もイライラしてしまいますよね。
ただし、3歳がおもちゃを片付けない理由は、単なるわがままとは限りません。
何をどこへ戻せばよいか分からない。
まだ遊びを終わらせたくない。
おもちゃの量が多すぎる。
収納場所に手が届かない。
このように、片付け方や環境が子どもに合っていない可能性もあります。
この記事では、3歳がおもちゃを片付けないときに試したい7つの工夫と、場面別の声かけを紹介します。
- 3歳がおもちゃを片付けない主な理由
- 3歳なら一人で片付けられる?
- 3歳がおもちゃを片付けないときの7つの工夫
- 1.「片付けて」ではなく一つだけ伝える
- 2.最初は大人も一緒に片付ける
- 3.遊びが終わる前に知らせる
- 4.収納方法を簡単にする
- 5.箱に写真や絵を貼る
- 6.片付けを簡単な遊びにする
- 7.できた行動を具体的に伝える
- 作りかけの物を片付けたくない場合は?
- おもちゃの量が多い場合は見直す
- 「片付けないなら捨てるよ」と言ってもいい?
- 何度言っても片付けないときは?
- 保育園では片付けるのに家では片付けないのはなぜ?
- 片付けでイライラしたときは?
- よくある質問
- 今日から始めるならこの3つ
- まとめ|3歳の片付けは一つ戻すことから始めよう
- 参考資料
3歳がおもちゃを片付けない主な理由
「片付けて」と言っても動かないときは、次のような理由が考えられます。
| 考えられる理由 | 子どもの状態 | 試したい対応 |
|---|---|---|
| 指示が分かりにくい | 何から始めるか分からない | 一つだけ具体的に伝える |
| まだ遊びたい | 遊びを中断したくない | 終わる前に予告する |
| 量が多い | 全部を見ると負担に感じる | 大人と分担する |
| 戻す場所が不明 | 箱や棚の区別が難しい | 写真や絵を貼る |
| 収納しにくい | 高い、重い、ふたが固い | 子どもが扱える収納にする |
| 疲れている | 眠い、空腹、機嫌が悪い | 大人が多めに手伝う |
| 作品を残したい | 積み木などを壊したくない | 一部を残す場所を作る |
すべての原因を一度に解決する必要はありません。
まずは「分からない」「終わりたくない」「自分では戻せない」のどれに近いかを見てみましょう。
3歳なら一人で片付けられる?
3歳で、散らかったおもちゃを一人ですべて分類し、きれいに戻すことを毎回求めるのは難しい場合があります。
片付けには、
- 遊びをやめる
- 散らかった物を見る
- おもちゃを種類ごとに分ける
- 戻す場所を思い出す
- 一つずつ運ぶ
- 最後まで続ける
という複数の行動が含まれているからです。
文部科学省の幼稚園教育要領では、幼児が生活の場を整えながら見通しをもって行動することや、生活習慣については、家庭での経験に配慮しながら次第に身に付けられるようにすることが示されています。
そのため、最初から全部を一人でさせるのではなく、大人が必要な部分を手伝いながら、小さな片付けを経験していくことが大切です。
3歳がおもちゃを片付けないときの7つの工夫
1.「片付けて」ではなく一つだけ伝える
「おもちゃを全部片付けて」
という言葉には、たくさんの行動が含まれています。
子どもが動かないときは、今してほしいことを一つだけ伝えましょう。
声かけの例
「赤い車を、この箱に入れてね」
「積み木を一つ持ってきて」
「絵本を棚へ戻そう」
一つできたら、次の行動を伝えます。
「車を片付けて、積み木を箱に入れて、絵本も戻して」
と一度に指示するより、子どもが取り組む内容を理解しやすくなります。
2.最初は大人も一緒に片付ける
子どもだけに片付けを任せず、大人も一緒に始めます。
分担の例
「大人は積み木を入れるね。○○ちゃんは車をお願い」
「一緒にこの箱をいっぱいにしよう」
「大人が箱を持つから、ぬいぐるみを入れてね」
大人が全部片付けるのではなく、子どもが担当する物を少し残すのがポイントです。
子どもが一つしか戻さなかったとしても、片付けに参加したことになります。
慣れてきたら、大人が担当する量を少しずつ減らしてみましょう。
3.遊びが終わる前に知らせる
遊んでいる最中に突然、
「もう終わり。片付けて」
と言われると、子どもが気持ちを切り替えにくいことがあります。
終わりが近づいたら、少し前から伝えてみましょう。
声かけの例
「この道路を作ったら、お片付けにしよう」
「車をあと一回走らせたら終わりにしよう」
「この絵本を読んだら、お風呂の準備だよ」
時計を理解できるとは限らないため、「あと何分」だけでなく、「これが終わったら」と具体的な行動で区切る方法もあります。
予告してもすぐに切り替えられない場合はあります。予告は必ず成功する方法ではなく、次の行動を分かりやすくするための工夫です。
4.収納方法を簡単にする
おもちゃを細かく分類しすぎると、大人には分かりやすくても、3歳には難しい場合があります。
最初は大まかに分けましょう。
分類の例
- 車の箱
- 積み木の箱
- ぬいぐるみのかご
- おままごとの箱
- 絵本の棚
同じシリーズのおもちゃをさらに細かく分ける必要はありません。
ふたのない箱や、上から入れられるかごなど、「入れるだけ」で戻せる収納が使いやすいでしょう。
収納で確認したいこと
- 子どもの手が届く高さか
- 箱が重すぎないか
- ふたを一人で開けられるか
- 戻す場所が離れすぎていないか
- 箱の中がおもちゃでいっぱいになっていないか
収納場所に大人しか手が届かない場合、子どもに一人で片付けてもらうのは困難です。
5.箱に写真や絵を貼る
文字だけのラベルでは、3歳には戻す場所が分かりにくいことがあります。
収納箱に、中へ入れるおもちゃの写真や絵を貼ってみましょう。
例えば、
- 車の箱にはミニカーの写真
- 積み木の箱には積み木の写真
- ぬいぐるみのかごには動物の絵
を貼ります。
声かけの例
「車と同じ写真の箱はどれかな?」
「くまさんのお家はここだね」
「積み木をこの絵の箱へ戻そう」
写真や絵があれば、大人が毎回収納場所を説明する負担も減らせます。
6.片付けを簡単な遊びにする
片付けを嫌がるときは、短い遊びとして始める方法もあります。
色分け
「赤いおもちゃを集めよう」
お届けごっこ
「車をお家まで届けてください」
おもちゃ救助
「床にいるぬいぐるみを助けよう」
数を使う
「積み木を3個入れてみよう」
ただし、毎回ゲームにしなければ片付けられなくなると、大人の負担が増えます。
遊びは片付けを始めるきっかけとして使い、始まったら普通に一緒に片付けても構いません。
競争を嫌がる子もいるため、「どちらが速いか」よりも、協力して箱へ戻す方法がおすすめです。
7.できた行動を具体的に伝える
片付けがすべて終わったときだけでなく、途中でできたことも伝えましょう。
声かけの例
「車を箱に戻せたね」
「絵本を棚まで運んでくれたね」
「一緒に片付けたから、床を歩けるようになったね」
「積み木が見つけやすくなったね」
「お片付けが上手」と評価するだけでなく、何をしたのか、片付けた結果どうなったのかを伝えます。
片付けに参加したことが分かりやすくなります。
作りかけの物を片付けたくない場合は?
積み木の家やブロックの作品を片付けたくないことがあります。
子どもにとっては、片付けではなく「作った物を壊すこと」だからです。
すべて残すのが難しい場合は、次の方法があります。
- 写真を撮ってから片付ける
- 作品を一つだけ残す
- 残してよいトレーや棚を決める
- 続きは次の日に作ると伝える
- お気に入りの部分だけ残す
ただし、通路やドアの近くなど、踏んだり転んだりする場所には残さないようにします。
「これは残す」「これは片付ける」と一緒に分けてみましょう。
おもちゃの量が多い場合は見直す
床に出ているおもちゃが多いほど、片付ける量や分類する種類も増えます。
収納箱からおもちゃがあふれている場合は、子どものやる気だけでなく、量や収納方法も見直してみましょう。
見直し方の例
- 最近使っていない物を別の場所へ移す
- 一度に出すおもちゃの種類を減らす
- 壊れている物を確認する
- 年齢に合わなくなった物を分ける
- 似たおもちゃをまとめる
- 収納箱に入る量を上限にする
まだ使えるおもちゃを処分する場合は、子どもの物を黙って捨てるのではなく、残したい物を一緒に確認する方法があります。
すぐに処分を決められない物は、別の箱で一時的に保管してもよいでしょう。
「片付けないなら捨てるよ」と言ってもいい?
実際に捨てるつもりがない場合は、「片付けないなら捨てる」と脅すように伝えるのはおすすめしません。
子どもが不安になったり、片付けの意味より「捨てられないために従うこと」が中心になったりする可能性があるためです。
片付けないときは、
「床にあると踏んで壊れるかもしれないから、箱へ戻そう」
「歩く場所にあると転びそうだから、一緒に片付けよう」
と、片付ける理由を具体的に伝えてみましょう。
大人が本当に整理したい場合は、片付けの最中に罰として捨てるのではなく、落ち着いているときに「残す物」「別の場所へ移す物」を一緒に確認します。
何度言っても片付けないときは?
声をかけても動かず、大人も限界になることがあります。
その場合は、次の順番で対応してみましょう。
- 今してほしいことを一つ伝える
- 大人が一緒に一つ戻す
- 子どもの担当を少なくする
- 通路など危険な場所を先に片付ける
- 残りは大人が手伝う
- 落ち着いてから収納方法を見直す
疲れている日や眠い日は、一人で片付けられないこともあります。
大人が手伝ったからといって、それまでの取り組みが無駄になるわけではありません。安全の確保や次の予定を優先し、別の機会に小さな片付けからやり直しましょう。
保育園では片付けるのに家では片付けないのはなぜ?
園では片付けるのに、家ではまったく片付けないことがあります。
考えられる違いには、次のようなものがあります。
- 片付けの時間が毎日ほぼ決まっている
- 先生が具体的な声をかけている
- 友達も一緒に片付けている
- おもちゃの戻し方が決まっている
- 片付けの歌など、始まりの合図がある
- 家では安心して甘えられる
園でできるからといって、家でも同じようにできるとは限りません。
園の方法をすべて再現する必要はありませんが、片付けるタイミングや収納場所を毎回同じにする工夫は取り入れられます。
可能であれば、園の先生に「どのような声かけで片付けているか」を聞いてみるのも一つの方法です。
片付けでイライラしたときは?
同じことを何度も言っていると、大人が怒ってしまうこともあります。
声を荒らげそうになったら、まず危険な物だけを移動させ、少し距離を取ります。
そのあと、
「大人は今、散らかっていて困っている」
「全部は大変だから、車だけ一緒に戻してほしい」
と、短く伝えましょう。
怒ってしまった場合も、
「大きな声を出してごめんね。床にあると危ないから、一緒に片付けよう」
と伝え直せます。
片付けのたびに強く怒ってしまう場合は、子どもの声かけだけでなく、おもちゃの量、収納方法、片付ける回数を減らせないかも確認してみましょう。
よくある質問
片付けたらご褒美をあげてもよいですか?
家庭の判断で使うことはできますが、毎回お菓子や物を用意する必要はありません。
最初はシールなどをきっかけにしても、少しずつ、
「床が歩きやすくなった」
「次におもちゃを見つけやすい」
という片付けの結果も伝えてみましょう。
片付けの歌は効果がありますか?
歌を合図にすることで、片付けの始まりが分かりやすくなる子もいます。
ただし、すべての子に効果があるとは限りません。歌を嫌がる場合は、「この遊びが終わったら片付ける」など別の合図を試しましょう。
子どもが一つしか片付けなくてもよいですか?
最初は一つでも構いません。
一つ戻せたら具体的に伝え、次にもう一つお願いしてみましょう。最初から一人で全部を終わらせることだけが目標ではありません。
片付けた直後にまたおもちゃを出します
片付ける目的が子どもに伝わっていないか、まだ遊びが終わっていない可能性があります。
「今はお風呂へ行くから片付ける」「次のおもちゃを出すために机を空ける」など、片付ける理由と次の予定を伝えましょう。
またすぐ遊ぶ予定なら、すべてを収納せず、遊ぶ物を一つ残す方法もあります。
今日から始めるならこの3つ
すべての方法を一度に試す必要はありません。
まずは、次の三つを確認しましょう。
1.一つだけ具体的に伝える
「片付けて」ではなく、
「車をこの箱へ入れてね」
と伝えます。
2.大人も一緒に始める
「大人は積み木、○○ちゃんは車」
と分担します。
3.収納を簡単にする
子どもの手が届く場所へ、ふたのない大きめの箱を用意します。
この三つを試しても難しい場合は、おもちゃの量や、片付けるタイミングも見直してみましょう。
まとめ|3歳の片付けは一つ戻すことから始めよう
3歳がおもちゃを片付けないときは、まず「なぜ動けないのか」を確認します。
試したい工夫は、次の7つです。
- 一つだけ具体的に伝える
- 大人も一緒に片付ける
- 遊びが終わる前に知らせる
- 収納方法を簡単にする
- 箱に写真や絵を貼る
- 片付けを簡単な遊びにする
- できた行動を具体的に伝える
最初から、一人で部屋全体をきれいにする必要はありません。
「車を一台戻す」
「絵本を一冊戻す」
といった小さな行動から始めます。
子どもへの声かけを変えても難しい場合は、大人の伝え方だけを問題にせず、収納場所やおもちゃの量も確認しましょう。
朝の準備も一つずつ伝える方法が役立ちます。詳しくは、3歳の朝の支度が遅いときの工夫をご覧ください。
片付け以外の場面でも指示が伝わりにくい場合は、3歳が言うことを聞かないときの接し方も参考にしてください。
参考資料
※本記事で紹介している収納ラベルやゲーム形式などは、すべての子どもに同じ効果を保証するものではありません。お子さんの発達や性格に合わせ、取り入れやすい方法から試してください。

