「3歳になったのに、まだ言葉が少ない」
「単語は話すけれど、会話にならない」
「周りの子はたくさん話しているのに……」
3歳ごろになると、子ども同士の言葉の差が目につきやすくなります。
保育園や幼稚園で、
「きょう○○ちゃんと遊んだよ!」
と話している子を見ると、
「うちの子は大丈夫かな?」
と心配になることもありますよね。
検索してみても、
「3歳ならこれくらい話す」
「言葉には個人差がある」
など、さまざまな情報が出てきます。
結局、
「どのくらいなら様子を見ていいの?」
「何か家でできることはある?」
「どこに相談すればいい?」
と分からなくなってしまう方もいるでしょう。
この記事では、
・3歳ごろの言葉の発達では何を見る?
・単語が少ない場合は?
・二語文が出ない場合は?
・会話が続かない場合は?
・家庭でできることは?
・どんなときに相談したらいい?
といった疑問を、できるだけ分かりやすく整理します。
※この記事は、3歳ごろの言葉の発達に関する一般的な情報をまとめたものです。発達には個人差があります。心配な様子がある場合は、3歳児健診やかかりつけの小児科、自治体の相談窓口をご利用ください。
- この記事でわかること
- 3歳の言葉はどのくらい話せればいい?
- 「話す言葉」だけでなく「分かる言葉」も見る
- 3歳で言葉が遅く見える理由は?
- ① 子どもが見ているものを言葉にする
- ② 子どもの言葉を少しだけ広げる
- ③ 「これなに?」ばかりにしない
- ④ 2つから選んでもらう
- ⑤ 子どもが話すまで少し待ってみる
- ⑥ 絵本は「最後まで読む」より一緒に見る
- ⑦ 日常生活の中で言葉を増やす
- 3歳で二語文が出ない場合は?
- 単語は多いのに会話が続かない場合は?
- 「言ってみて」と何度も練習させてもいい?
- YouTubeやテレビを減らせば言葉は増える?
- 保育園では話すのに家では話さない場合は?
- 発音が聞き取りにくい場合は?
- 聞こえも確認してみよう
- 3歳児健診で言葉について何を相談できる?
- 相談するならどこ?
- こんなときは早めに相談を考えよう
- 家庭でチェックするなら「単語数」だけにしない
- 今日から試すならこの3つ
- よくある質問
- まとめ|3歳で言葉が遅いと感じたら「話す量」だけを見ない
- 参考資料
この記事でわかること
この記事では、
・3歳ごろの言葉の発達で確認したいポイント
・言葉が遅く見える理由
・家でできる7つの関わり方
・二語文が出ないときの考え方
・会話が続かないときに見るポイント
・相談先や相談を考えたい目安
を紹介します。
言葉の発達は、単純に、
「何語話せるか」
だけで判断するものではありません。
言葉の理解。
人とのやり取り。
指さし。
表情。
遊び。
なども含めて見ていきましょう。
3歳の言葉はどのくらい話せればいい?
3歳になると、
単語だけでなく、
「ママ きて」
「もっと ジュース」
など、言葉を組み合わせて話す子が増えてきます。
また、
「これなに?」
「なんで?」
など質問をしたり、
自分の名前や年齢を答えたりする子もいます。
国の3歳児健診に関する資料でも、言葉の発達は確認項目の一つになっています。
3歳児健診では、言語の発達だけでなく、視覚・聴覚・生活習慣・社会性などを含めて子どもの状態を確認します。
そのため、
「○語話せれば大丈夫」
という一つの数字だけで判断するのではなく、
コミュニケーション全体を見ることが大切です。
「話す言葉」だけでなく「分かる言葉」も見る
子どもの言葉について心配になると、
「何個の単語を言える?」
ばかり数えたくなります。
でも、
話せる言葉
と、
理解できる言葉
は別です。
例えば、
「靴持ってきて」
と言うと持ってくる。
「ゴミをここに入れて」
と言うとできる。
「赤い車取って」
と言うと選べる。
このように、大人の言葉を理解して行動できているかも確認してみましょう。
言葉が少なくても、大人の言葉をよく理解している子もいます。
逆に、
単語はたくさん言えるけれど、質問への返事が難しい
という場合もあります。
「話す量」だけではなく、
「言葉を使ってやり取りできている?」
という視点も持ってみましょう。
3歳で言葉が遅く見える理由は?
言葉の発達がゆっくりに見える理由は一つではありません。
例えば、
・言葉の発達そのものに個人差がある
・大人の言葉の理解がまだ発達途中
・聞こえにくさがある
・発音しにくい
・人とのやり取りより別のことへの興味が強い
・言葉以外の方法で要求が伝わっている
など、さまざまな可能性があります。
そのため、
「言葉が遅い=○○が原因」
と家庭だけで決めつけないことが大切です。
特に言葉の発達には、聞こえやコミュニケーションなども関係することがあります。
気になる場合は、専門家へ相談して確認することもできます。
① 子どもが見ているものを言葉にする
家庭で試しやすい方法の一つが、
子どもが見ているものを、そのまま言葉にすることです。
例えば、公園で犬を見ているなら、
「わんわん いたね」
と言います。
車を走らせているなら、
「くるま はしったね」
食事中なら、
「バナナ あまいね」
などです。
子どもに、
「言ってみて!」
と毎回言わせる必要はありません。
大人が自然に短い言葉を聞かせます。
ポイントは、
子どもが興味を持っているものに合わせることです。
大人が見せたいものより、
「今、子どもが何を見ている?」
を意識してみましょう。
② 子どもの言葉を少しだけ広げる
子どもが、
「くるま!」
と言ったら、
大人が、
「赤いくるまだね」
と返してみます。
子どもが、
「わんわん いた」
と言ったら、
「大きいわんわんいたね」
と返します。
子どもが言った言葉に、少しだけ言葉を足します。
難しい文章を教えるのではなく、
子どもが使っている表現より少しだけ長い言葉
を聞かせるイメージです。
大人がお手本を見せるだけで構いません。
③ 「これなに?」ばかりにしない
言葉を増やしてほしくて、
「これなに?」
「これは?」
「これは何色?」
と質問ばかりしてしまうことがあります。
子どもによっては、これがテストのように感じられることもあります。
そこで、
質問
だけではなく、
大人から言葉を伝える
ことも増やしてみましょう。
例えば絵本なら、
「これは何?」
だけでなく、
「ねこさん寝てるね」
「赤い車だね」
「雨がザーザーだね」
などです。
言葉を答えさせる時間ではなく、
一緒に楽しみながら言葉を聞く時間
にしてみましょう。
④ 2つから選んでもらう
何か欲しいときに、
子どもが指さしだけで伝えている場合があります。
そんなときは、
「何が欲しいの?」
という難しい質問ではなく、
「りんご?」
「バナナ?」
と2つから選べるようにしてみましょう。
例えば、
「りんごとバナナ、どっち?」
と見せます。
子どもがバナナを指したら、
「バナナだね」
と大人が言います。
子どもが言葉で答えられなくても構いません。
指さしでも選べたら、
「バナナね」
と言葉にして渡します。
言葉と物をつなげる経験を増やしてみましょう。
⑤ 子どもが話すまで少し待ってみる
子どもが何か言おうとしているとき、
大人が先に、
「ジュース欲しいの?」
「これ?」
「お菓子?」
と全部言ってしまうことがあります。
忙しい毎日では当然ですよね。
でも、ときどき少しだけ待ってみましょう。
子どもが、
「あ……」
と言おうとしているなら、
数秒待ちます。
すぐ言葉が出なくても構いません。
指をさす。
声を出す。
大人を見る。
など、子どもなりの伝え方を待ちます。
「言いなさい」
と急かすのではなく、
子どもが伝えようとする時間を少し作ってみましょう。
⑥ 絵本は「最後まで読む」より一緒に見る
言葉を増やすために、
「毎日絵本を何冊も読まなきゃ」
と思う必要はありません。
例えば子どもがページの途中で、
「くるま!」
と言ったら、
「ほんとだ!赤いくるまだね」
と話しても構いません。
最後まで静かに読むことより、
子どもが興味を持ったところで言葉を交わす
という方法もあります。
子どもが好きな絵本を何度も読むのもよいでしょう。
同じ言葉を繰り返し聞く機会になります。
⑦ 日常生活の中で言葉を増やす
特別な「言葉のトレーニング時間」を作らなくても、日常生活には言葉を使える場面がたくさんあります。
例えば着替えなら、
「シャツ着よう」
「右のおてて」
「できたね」
食事なら、
「おいしいね」
「にんじんだね」
「もう一個?」
お風呂なら、
「あったかいね」
「あわあわだね」
「頭洗おう」
などです。
一日10分の特別な練習だけではなく、
普段の生活の中で短い言葉をたくさん聞ける環境
を意識してみましょう。
3歳で二語文が出ない場合は?
「単語は話すけれど、二語文が出ない」
という悩みもあります。
例えば、
「ママ」
「くるま」
「ジュース」
など単語は言えるものの、
「ママ きて」
「ジュース ほしい」
のような言葉の組み合わせが出ないケースです。
3歳で二語文が出ていない場合は、家庭だけで判断せず、3歳児健診やかかりつけの小児科、自治体の発達相談などで相談してみましょう。
言葉の発達は、話せる単語数だけで判断するものではありません。言葉の理解、指さし、視線、呼びかけへの反応、相手とのやり取りなども含めて確認します。
単語は多いのに会話が続かない場合は?
言える単語はたくさんある。
物の名前も言える。
でも、
「今日は何した?」
と聞いても答えられない。
質問と関係のない話をする。
同じ言葉を繰り返す。
など、
「会話のやり取りが難しい」
と感じることもあります。
この場合も、単語数だけではなく、
・質問の意味を理解している?
・自分から伝えようとする?
・相手の話を聞いている?
・指さしや視線などを使う?
といったコミュニケーション全体を見てみましょう。
国立障害者リハビリテーションセンターも、3歳で会話が成り立ちにくいケースについて、話す量だけでなく「こちらの話を理解しているか」「やり取りがどうなっているか」を確認する視点を紹介しています。
「言ってみて」と何度も練習させてもいい?
例えば、
「りんごって言って」
「り・ん・ご」
「ほら言ってみて!」
と繰り返すことがあります。
子どもが楽しんでまねしているなら問題ありません。
ただし、毎回言葉を言わせることがプレッシャーになっているようなら、
大人がお手本を聞かせるだけ
でも構いません。
例えば子どもがりんごを指したら、
「りんごだね」
と返します。
言えなかったことを何度も指摘するより、
言葉を聞いて、使いたくなる場面を増やす
ことを意識してみましょう。
YouTubeやテレビを減らせば言葉は増える?
「動画を見せたから言葉が遅れたのかな?」
と心配になる方もいるかもしれません。
言葉の発達にはさまざまな要素が関係するため、
「動画だけが原因」
と単純に考えることはできません。
ただし、言葉のやり取りを増やしたいのであれば、
動画を見ている時間の一部を、
親子で話す。
絵本を見る。
一緒に遊ぶ。
といった双方向の時間に変えてみる方法はあります。
動画を完全になくすことだけを目標にするより、
人とのやり取りがどのくらいあるか
という視点でも考えてみましょう。
保育園では話すのに家では話さない場合は?
反対に、
「家ではあまり話さないけれど、保育園では話している」
という子もいます。
家庭と園では、
周りにいる人。
遊び。
生活の流れ。
話す必要がある場面。
などが違います。
まずは先生に、
「園ではどんな言葉を話していますか?」
「お友達とは会話していますか?」
と聞いてみましょう。
家庭では見えない子どもの様子が分かります。
逆に、
「家では話すけれど園ではあまり話さない」
というケースもあるので、両方の様子を知ることが大切です。
発音が聞き取りにくい場合は?
「よく話すけれど、何を言っているか分からない」
という悩みもあります。
3歳ごろは、まだ発音が十分に完成していないことがあります。
ただし、
家族でもほとんど聞き取れない。
特定の音だけではなく、多くの言葉が聞き取りにくい。
本人が伝わらなくて強く困っている。
などの場合は、言葉の発達だけでなく発音について相談してみてもよいでしょう。
自治体によっては、言語聴覚士などへ相談できる発達相談があります。
聞こえも確認してみよう
3歳児健診では、言葉の発達とあわせて聴覚も確認されます。呼びかけへの反応が少ない、テレビの音を極端に大きくする、聞き返しが多いなどの様子が気になる場合は、耳鼻咽喉科や小児科に相談しましょう。
3歳児健診で言葉について何を相談できる?
3歳児健診は、全国の市区町村で実施されている乳幼児健診です。こども家庭庁も、3歳児健診を子どもの健康状態や発達を確認する重要な機会として案内しています。
言葉について気になっているなら、
「まだ二語文が出ません」
「会話が続きません」
「言葉がほとんど増えません」
など、具体的に伝えてみましょう。
健診当日に子どもが緊張して話さない場合もあります。
そのため、
普段どんな言葉を話す?
どんな指示なら分かる?
どんな遊びが好き?
など、家庭での様子も伝えられるようにしておくとよいでしょう。
相談するならどこ?
「気になるけれど、病院へ行くほどなのかな?」
と迷うこともあります。
相談先には、
・3歳児健診
・自治体の保健センター
・子どもの発達相談窓口
・かかりつけの小児科
・発達を専門とする医療機関
・言語聴覚士がいる相談機関
などがあります。
自治体によって利用できるサービスは異なります。
例えば渋谷区の子ども発達相談センターでは、「ことばが遅いような気がする」といった相談にも、保健師・心理士・言語聴覚士などの専門職が対応しています。
「相談したら必ず診断される」
というものではありません。
今の状態を確認し、
家庭でどんな関わりをすればよいか相談する目的でも利用できます。
こんなときは早めに相談を考えよう
言葉の発達には個人差があります。
ただし、次のような場合は、
「そのうち話すかも」
と長期間家庭だけで判断せず、健診や専門家へ相談してみましょう。
・3歳になっても二語文が出ていない
・話す言葉がかなり少ない
・簡単な言葉の指示が伝わりにくい
・名前を呼んでも反応しにくい
・人とのやり取りがほとんどない
・以前話していた言葉が減った
・聞こえについて心配がある
・保育園や幼稚園からも言葉について指摘されている
・保護者が強く心配している
特に「以前できていたことができなくなった」などの変化がある場合は、早めに医療機関などへ相談してください。
家庭でチェックするなら「単語数」だけにしない
言葉が遅いと感じたら、次のようなポイントを見てみましょう。
言葉の理解
「持ってきて」
「座って」
など簡単な言葉が伝わる?
自分から伝える
欲しいものを指さしたり、声を出したり、大人を見たりする?
言葉を組み合わせる
「ママ きて」
など、二つ以上の言葉を組み合わせる?
やり取り
大人が話したことに反応したり、やり取りを続けたりする?
聞こえ
名前を呼ぶと反応する?
こうした部分も含めて見てみると、専門家へ相談するときにも普段の様子を伝えやすくなります。
今日から試すならこの3つ
たくさん紹介しましたが、全部を始める必要はありません。
まずは次の3つだけ試してみましょう。
1.子どもが見ているものを言葉にする
車を見ていたら、
「赤い車だね」
と短く伝えます。
2.質問を少し減らす
「これなに?」
だけではなく、
「わんわんいるね」
と大人から言葉を聞かせます。
3.1日5分だけ一緒に遊ぶ時間を意識する
絵本。
積み木。
おままごと。
何でも構いません。
子どもが興味を持っている遊びに大人も入って、
短い言葉を交わしてみましょう。
よくある質問
3歳で単語だけでも大丈夫?
言葉の発達には個人差がありますが、3歳で二語文が出ていない場合などは、一度健診や専門機関へ相談することが勧められるケースがあります。
家庭だけで「大丈夫」「大丈夫ではない」と判断せず、普段の言葉の理解やコミュニケーションも含めて相談してみましょう。
男の子は言葉が遅いから待っていていい?
「男の子だから遅い」と一つの理由だけで判断しないほうがよいでしょう。
気になる状態があるなら、性別にかかわらず健診などで相談できます。
3歳児健診まで待っていい?
健診が近ければ、そこで相談する方法があります。
ただ、
「かなり心配」
「言葉がほとんど出ない」
「聞こえも心配」
などの場合は、健診まで待たずに自治体の相談窓口や小児科へ相談しても構いません。
言葉が遅いと発達障害なの?
言葉の遅れだけで発達障害かどうかを判断することはできません。
言葉の発達がゆっくりになる理由はさまざまです。
心配な場合は、言葉だけでなくコミュニケーションや生活全体を専門家に見てもらいましょう。
まとめ|3歳で言葉が遅いと感じたら「話す量」だけを見ない
3歳の子どもの言葉が遅いと感じたら、
・話せる言葉
・言葉の理解
・指さし
・人とのやり取り
・聞こえ
・遊び
・言葉を組み合わせられるか
など、コミュニケーション全体を見てみましょう。
家庭では、
・子どもが見ているものを言葉にする
・子どもの言葉を少し広げる
・質問ばかりにしない
・2択で選んでもらう
・話すまで少し待つ
・絵本を一緒に楽しむ
・日常生活の中で言葉を聞かせる
といった方法を試せます。
ただし、
「家庭で頑張れば必ず言葉が追いつく」
というものではありません。
3歳で二語文が出ていない場合や、言葉の理解・聞こえ・コミュニケーションなどにも心配がある場合は、健診や専門機関へ相談してみましょう。
相談することで、
「今はどんな段階なのか」
「家庭では何をすればいいのか」
を整理できることがあります。
まずは今日、
子どもが何かを見ていたら、
「○○だね」
と短い一言を添えるところから始めてみてください。
参考資料
・厚生労働省「三歳児健康診査」
・厚生労働省「乳幼児健康診査実施要綱」
・国立成育医療研究センター「乳幼児健康診査身体診察マニュアル」
朝の支度が遅い時は下記記事を参考にしてください。
おもちゃを片付けない時は下記記事を参考にしてください。
【【3歳】おもちゃを片付けない!自分で片付けてもらうための7つの工夫】
言うことを聞かない時は下記記事を参考にしてください。
トイレトレーニングがうまくいかない時は下記を参考にしてください。

